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ネットワークの構築 |
フィールドサーバ内LAN
フィールドサーバは,Webサーバ基板,無線LAN基板(アクセスポイント基板),ネットワークカメラなどからなり,それぞれがIPアドレスを持ち,独立したWebサーバとして機能しています。
フィールドサーバの筐体(ケース)の中では,これらのWebサーバがLAN(プライベートネットワーク)で繋がっています。さらにフィールドサーバ間は無線LANで相互に接続しているため,フィールドサーバが形成するワイアレス・センサーネットワークには非常にたくさんのWebサーバが存在します。
インターネットへの接続
フィールドサーバが形成するワイアレス・センサーネットワークにある各WebサーバにグローバルIPアドレスを振って,直接,インターネットからアクセスするように設定することは可能ですが,セキュリティの面で好ましくありません。
そこで,フィールドサーバとインターネットを接続する接続部分(ゲートウェイ)にルータを接続し,ルータのNAT機能によって,各WebサーバにはプライベートIPを振ります。そして,フィールドサーバのワイアレス・センサーネットワークはプライベートネットワークとしてセキュリティを確保します。
VPN接続
プライベートネットワーク内のフィールドサーバには外部からアクセスできないため,フィールドサーバの計測データを閲覧できなくなります。
フィールドサーバにアクセスするためいは,いわゆる「ルータ越え」を行う必要があります。ルータ越えには,ルータのポートフォワード機能を利用する方法(もちろんポートフォワード機能を有するルータが必要。ほとんどのルータにはこの機能があります)とVPN(Virtual
Private network)を利用する方法があります。フィールドサーバの数が多い場合や頻繁に数を増やす場合には,VPNが楽です。また,セキュリティの面からもVPNが優れています。
そのため,世界中のフィールドサーバへのアクセスは,ほとんどがVPNを用いています
フィールドサーバには基本的に計測データや画像データを蓄積する機能はありません。ブラウザでアクセスした時のデータを表示するだけです。
一定時間間隔で長期間データを記録するには,人手でブラウザを操作する代わりにプログラムに代行させます。これを自動的に行うプログラムがフィールドサーバ・エージェントです。フィールドサーバ・エージェントはJavaで書かれた非常に複雑な人工知能プログラムで,非常に複雑な操作を人間がブラウザを操作する代わりに実行します。
これはgoogleなどのサーチエンジンが各Webサイトのデータを集めるためのWeb巡回ロボット(Web-Clawer)に似てます。ただし,フィールドサーバ・エージェントは,フィールドサーバ内蔵のカメラの撮影操作や時刻や日射量に応じたライトのON/OFFなど複雑な操作も行うため,そのためのルール(XMLで書かれた知識ベース)は非常に複雑なものになっています。
フィールドサーバ・エージェントは,アクティブ・データベース及びセンサ・グリッド,データ・グリッド等の研究として,今後,様々な機能を搭載する予定です。
一定の機能を有する確定バージョンは配布可能ですので,研究またはビジネスでソースコードをご希望の方は
利用申請内容をご確認のうえ,
fserver@zoushoku.narc.affrc.go.jp
へお問い合わせ下さい。
データ収集サービス
希望者にはフィールドサーバ・エージェントのプログラムを配布していますが,このプログラムは一般の利用者(エンドユーザ)が利用することを想定して開発されたものではないため,プログラムのインストールやルールの作成は簡単ではありません。また,詳しいドキュメントや分かりやすいマニュアルもありません(Javaのソースコードを解読しないと完全には利用できません)。
さらに面倒なことは,フィールドサーバ・エージェントを稼動させるためにはパソコンを1台用意し,常時稼動しておかなければならないことです。各ユーザが,フィールドサーバのデータを収集するだけのために,パソコンを1台を点けっぱなしにしておくことは,省エネの観点からも好ましくありません。
また,監視カメラとしてフィールドサーバの画像を収集する場合,フィールドサーバの近くのパソコンでデータを記録していると,窃盗犯等が放火して証拠隠滅を図る動機となってしまいます。そのため,データ収集を行うパソコンは遠隔地に設置する必要があります。
フィールドサーバはインターネットに常時接続であるため,フィールドサーバ・エージェントは1台あれば十分です。それに世界中のフィールドサーバのデータ収集を行わせれば,各エンドユーザがパソコンを用意する必要はなくなります。
現在,中央農研のPC(8台のPCからなるPCクラスタ)上で稼働するフィールドサーバ・エージェントが世界各地のフィールドサーバのデータを収集しています。など,データストレージは計算センターの電農館に移行する予定です。
現在,中央農研のエージェントが世界中のフィールドサーバにアクセスに行って,データを記録しています。
記録されたデータは本Web上でオープンにしています。
また,記録したデータをグラフ等で閲覧したい場合には,本Web上のDarta-Viewerで見ることが出きます。
データ収集の依頼
フィールドサーバ・エージェントにデータ収集を依頼する場合には,以下の点を明記の上,fserver@zoushoku.narc.affrc.go.jp
へご依頼下さい。
・ルータのIPアドレス(ダイナミックDNSを使っている場合にはそのドメイン名)
・VPNルータの詳細な情報
現在,エージェントはPPTPまたはOpen VPNに対応しています。VPNルータをお持ちでない方は,PPTPが利用できるルータVPNルータ(例えば,これ)が便利です。
・各フィールドサーバ内WebのプライベートIPアドレス
・各フィールドサーバに接続しているセンサの種類とADコンバータのチャンネル番号
本データ収集サービスは研究が目的のため,収集したデータは「人類の共通的な知的資産」として公開することを前提としています(研究中のデータは論文や特許申請時まではもちろん非公開)。「データをできるだけ共有して,皆で活用しよう」というのが基本的なポリシーです。
また,サーバ等のダウンに伴うデータの消失については責任を負いかねますので,ご了承下さい
エージェントを自分で作る方法
情報科学の分野においては,エージェントの研究開発は非常に興味深いテーマです。センサネットワークにインテリジェンスを付与するには,各センサノードのファームウェアに人工知能プログラムを組み込む方法と遠隔地(ネットワーク上の離れたところで稼動するPCクラスタ上など)で実行させる方法がありますが,フィールドサーバ・エージェントは後者のアプローチです。この方法は,各センサノードのファームウェアを書き換えることなく,センサネットワークの機能を更新できるため,研究開発段階では特に有用です。
自分でエージェント・プログラムを開発したい場合には,Windowsのスクリプト言語(WSH)やApple Scriptで簡易版を作ることができます。さらに簡単な方法として,例えばフリーのスクリプト言語やUWSCなどのツールを使えば比較的簡単にできます
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