Field Server II
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リストマーク フィールドサーバに関するFAQ


フィールドサーバに内蔵されているネットワークカメラをズーム機能のある機種や高解像度のデジカメなどに変更できますか?
イーサーネットに接続できるネットワークカメラであれば変更できます。例えば,パン・チルト・ズーム可能なネットワークカメラに変更可能です。ただし,筐体のサイズの変更が必要な場合には,筐体の改造が必要です(メーカにて有料で対応)。
なお,市販のネットワークカメラのほとんどは画素数がVGAサイズ(640×480)どまりです。300万画素クラスのデジカメを繋ぎたい場合には,現在,リコーのRDC-i700が利用できます。

土壌水分センサを付けることができますか?
できます。アメリカ・デカゴン社のECHOセンサは,そのままフィールドサーバのオプション・センサ用ジャックに差し込むだけで利用できます。ECHO土壌水分センサは,盟和商事株式会社等から購入できます。また,googleで検索すると様々な関連情報があります。

フィールドサーバの耐暑・防水対策はどうしているのですか?
フィールドサーバはファンで外気を取り込み,アスマン式通風温湿度計測を行っています。筐体内の温度が上がると,センサとの接続ケーブルを通して熱が伝導し,センサの測定値に誤差を生じさせます。また,内部の電子機器自体が発熱するため,筐体内部の温度が上昇すると,異常動作や故障の原因となります。
そのため,ファンで取り込んだ外気を使って,内部を冷却し,同時に内部の気圧を外気より高くして,暴風雨時に雨が侵入するのを防いでいます。
さらに,上部ソーラパネル部による断熱で直射日及び直接的な筐体の温度上昇を防止しています。

冬は日があたらないので,低温で問題がでませんか?
低温は,ほとんど問題ないです。これまでのところ,北海道や中国東北部に設置したフィールドサーバは,マイナス15〜30°程度でも無事に稼動しています。
電子機器は高温に弱いため,大きな問題は真夏の高温対策です。冬は温度が上昇しないのでむしろ安定稼動させやすいです。

電子機器の最大の「敵」は結露ですが,結露対策はどうしていますか?
結露は内部の部品の温度が放射冷却で冷えた場合に起こるため,電子部品の発熱と十分な通風があれば結露しません。
内蔵太陽電池だけで動作可能なフィールドサーバはタイマー駆動で間欠動作しますが,このフィールドサーバでは,電源がONになった瞬間,湿った外気で内部に結露が発生し大きな問題となりました。しかし,間欠動作するフィールドサーバの場合,内部の発熱が少ないので,基板の防水化など従来の結露対策が利用できました。

フィールドサーバを太陽電池で駆動するためには,どの程度の発電容量が必要ですか?
必要な太陽電池の容量は,設置する地域における晴天率や太陽高度などで大きく異なります。おおざっぱな見積もりとしてはフィールドサーバの消費電力のほぼ10倍が目安となります。これはフィールドサーバを常時稼動するためにはギリギリのため,安全率を2〜3倍を見込んだ方が良いでしょう。カメラ内蔵フィールドサーバ(2004年夏モデル)では100〜200W程度必要です。

フィールドサーバは海外で生産または利用されていますか?
タイのNECTEC(国立電子情報研究センター)では,タイ製のフィールドサーバがロイヤル・プロジェクトとして開発されました(中央農研からの技術協力による)。既に400台生産されて,タイ国内各地に設置されています。
各国でフィールドサーバの利用や研究が進んでおり,国際会議(APANやAFITAにおけるワークショップ)が頻繁に開催されています。
17th APAN Meetings/Jt Tech Workshop (2004.1.25-30)

年間の稼動状況はどのくらいを想定していますか?
無線通信は常に行っていますか?
フィールドサーバには一定時間だけ稼動しスリープするタイプと常時稼働するタイプの2種類があります。
フィールドサーバの目的は,
(1)照明(エクステリア,防犯,点滅によるユーザインターフェイス)
(2)無線LANの多段階中継による高速常時接続用基幹回線の構築
(3)ユビキタス環境を構築するため屋外にホットスポットを生成
(4)環境・動植物の計測と機器の制御
であり,1,2,3の目的のためには常時稼働する必要があります。 常時稼動型フィールドサーバ(通常タイプ)は,365日,24時間連続稼働です。
スリープするフィールドサーバは内蔵の小型太陽電池のみで動作し,30分〜1時間に1回,20秒〜1分間,ONになります。これは目的(4)だけで十分な場合にのみ利用します。これはホットスポット内で稼働する計測専用フィールドサーバです。なお,このタイプはまだ市販されていません。

通信形態としてフィ−ルドサ−バに無線LANの中継機能(アドホックネットワ−ク)はありますか? また到達距離はどのくらいですか?
あります。
フィールドサーバは数100m〜10数km程度のエリアをカバーすることを想定しているため,中継機能は必須です。
アドホックネットワークとしては内蔵する無線LANモジュールに依存します。これまでフィールドサーバでは無線LANのWDS機能(Wireless Distributed System:アクセスポイント間通信機能)またはメッシュネットワークを利用したタイプがあります。
研究用ではメッシュネットワークが利用されていますが,市販のフィールドサーバでは,中継機能を有するアクセスポイント (Baffalo製WLA-G54)が内蔵されています。WLAーG54の最大ホップ回数は6回であり,0.5km間 隔で設置した場合,2.5kmまで無線LANで届くことになります。 ただし,障害物がないと北海道の例では一回のホップで1.5km届いています。さらに,外付けビームアンテナを付けると10km程度届きますので,理論上は50kmまでカバーできます。

計測された情報の蓄積はどのように行っているのですか?
常時接続なので情報蓄積は中央農研のPCクラスタ上で稼働するデータ収集エージェント(フィールドサーバ・エージェント)が一括して行っています。これはgoogleなどのサーチエンジンのWebクローラと同じように,フィールドサーバのWebページを巡回しています。これはフィールドサーバの特長の一つで,以下のメリットがあります。
(1)面倒な作業はエージェントにお任せ
データの収集,保存,バックアップなどこれまで個人で行ってきた面倒なことをデータ収 集エージェントがまとめ行います。収集・蓄積されたデータはフィールドサーバのHP(当Webなど)上で利用できます。
(2)データの積極的な共有
データの公開と共有が促進され,生データが人類の知的資産となります。従来のデータロガーで計測したデータは公開どころかフロッピーやCD-Rとして死蔵されがちでした。しかも,困ったことに研究者がリタイアすると同時に散逸しました。
(3)Webサーバであるため,独自あるいは民間企業などが同時にデータ収集を行うことが出来る。これにより,データ消失のリスクが減り,多様なサービスの実施が可能になります。
(4)データの統合利用が簡単
MetBroker経由でアメダスなどと組み合わせて様々なアプリケーションで利用できます。フィールドサーバのデータは,即,フリーのWebアプリで利用できます。

また,MetBroker(データグリッド用ミドルウェア)がアメダスや世界各国の気象データベースと統合して利用できるようにしてくれます。

システム全体はどのように構成されていますか?
本WebのInformationにあります。
また,最新情報は当Web及びメイリングリスト(FServerとFServer)で公開されています。

フィールドサーバエンジン基板は利用あるいは購入できますか?
DDS版は安定バージョンができ次第,購入できます。発売時期は2005年末頃になりそうです。DDS+FPAA版は現在,試作中です。なお,フィールドサーバエンジン基板の開発がフィールドサーバ研究のコアの一つですので,最新版は共同研究の一環としてのみの配布・利用となります。

土壌埋設型PCとは何ですか?
土壌埋設型PCはフィールドサーバの開発の前半において,フィールドサーバのバリエーションの一つ開発していましたが,マンパワー不足のため,一時休止中でした。
2004年度より,JIRCASプロジェクトにおいて,フィールドサーバを沙漠など過酷な環境に設置する際に,データ収集エージェントを稼動させるためのプラットフォームとして必要が生じ,研究開発が再び始まりました。このプロジェクトが終わる2006年度までには開発を完了したいと考えています。

補間によるメッシュデータは,フィールドサーバの代わりになりますか?
中山間地域に代表されるように日本の地形は複雑であるため,数百m移動しただけで圃場条件が異なる場合が多いく,AMeDASによる推定メッシュデータをさらに細かくする研究なども行われていますが誤差は大きく,実際に詳細に計測出来なかったため,誤差がどの位あるのかも実は良く分からないという問題があります。メッシュ補間データを活用するためにも,直接計測する必要があります。
どの程度のメッシュ間隔で計測すべきかは,地域及び使用目的で大きく違います。生産履歴情報収集(トレーサビリティシステムのための生産履歴開示に必要な生産現場の情報収集)や農業生産管理のためには圃場一筆ごとに1台が理想ですが,コストの面で高密度に設置するのは困難です。実際には,無線LANの中継の制約から数100mに一台というのが現実的なソリューションとなっています。

フィールドサーバの電源供給のため,圃場に電柱を設置することはできますか?
可能です。電力会社が数万円でポールや積算電力計の設置をしてくれます。我が国の場合,ほとんどの道路沿いに電柱がありますので,意外と簡単のようです。
実際,佐野農園(http://www3.j-speed.net/~sanofarm/)に設置されているフィールドサーバの電源はこのようにして確保されています。

水田の中にフィールドサーバを設置する場合,電源供給はどうすれば良いですか?
水田や畑に電源ケーブルを引くときには,12Vの直流電源でフィールドサーバに給電して下さい。100Vの商用電源を延長ケーブルで引くことは非常に危険ですので絶対におやめ下さい。
水田の中など,電源ケーブルを引くのが難しい場合には,間欠駆動する内蔵太陽電池のみで駆動するフィールドサーバを利用します。

なぜフィールドサーバはWebサーバなのですか?
Webサーバだけ動いてくれれば,ユーザやアプリケーションから簡単にアクセスできるためです。データを送りつけないためネットワークに過度の負担をかけることもありません。googleなどのWebクローラーが世界中のWebサイトのデータを収集できるのは,データ収集対象がWebサーバだからです。フィールドサーバの設置台数が数千,数万,数億と増えても,Webサーバであればgoogle等のようにデータを収集することができます。
逆に,メール等でフィールドサーバから特定のデータ収集サーバにデータを送りつけると,DoS攻撃に相当する混乱を引き起こす危険があります。メールを利用してデータを送る実験をしたことがありますが,その最中に発生した様々な問題はかなり深刻なものでした。
また,各モジュールがWebサーバであると接続と連携稼動が非常に簡単にできます。フィールドサーバは,超小型Webサーバの集合体によってセンサーネットワークや複雑なWebアプリケーションを構築するというアーキテクチャです。
これはセンサーネット以外にも利用可能であり,例えばテレビやクルマ等を構成する電子機器や基板などのモジュールが全てWebサーバになると,各部の動作状況のモニタや故障診断が簡単にできるようになります。また,一部が故障しても他のモジュールで代行することができます。

フィールドサーバのOSは何ですか?
安定性の確保と高速化のため,OSは使っていません。
フィールドサーバエンジンは,組込用マイコンH8 3067(クロック周波数は20MHz)というCPUをベースにしています。この種の組み込み用マイコンは,アセンブラやCでソフトを書き,オブジェクトをそのままCPU内部のROMに書き込みます。,WindowsやLinuxによるクロス開発環境で開発します。
OSを使わないとプログラム開発は多少面倒ですが,その分,高速化,プログラムサイズの小型化,省電力化が可能です。クライアント側からは,Webサーバ さえ動いてくれれば十分です。
ソフト開発者にとってOSは便利ですが,デバイスドライバの開発が非常に難しいという問題があります。アセンブラやCの知識があれば,フィールドサーバのファームウェアはデバイスドライバを書くための知識を身に着けるよりも早く開発が完了してしまいます。

フィールドサーバに対応したソフトはどこで入手できますか?
現在のフィールドサーバは、Webページへのリクエストに応じてリアルタイムでデータを返すプログラムがフィールドサーバエンジンのWebサーバ内に組み込まれています。 そのため,通常のブラウザのみで使用でき,特殊な組み込みソフト等は不要です。
これに対して定期的にデータを読みにいって保存したり、センサの値に応じてアプリケーションを動かしたり、Webカメラで得られた画像を保存したりする 自動巡回ソフト(エージェントプログラム)に関しては、Java及びXMLで作られています。このソフトの入手希望およびご質問は担当までご連絡下さい。
また,フィールドサーバに接続したカメラで圃場を自動的に監視したい場合には,Webカメラ関連のフリーソフトが利用できます。画面に変化が起きたときに警報を発するといった用途にはすぐに利用できるはずです。この種のフリーソフトは国内外にかなりありますので,用途に合致したものを検索エンジンやフリーソフトのサイトで探してみて下さい。

簡単にデータを収集する方法は?
中央農研のフィールドサーバエージェントでデータ収集を行っています。中央農研から,VPNやポートフォワードで各フィールドサーバにアクセス出来るのであれば,このサービスが利用できます。収集したデータは公共的なファクトデータとして,農林水産計算センターの電脳館のストレージに蓄積されます。ただし,特定の画像に関しては個人情報保護法の観点から非公開です。また,データも論文発表まで非公開といったことが可能です。
営利目的かつデータ非公開の場合やインターネットに常時接続していない場合,ローカルでフィールドサーバエージェントを稼動させる必要があります。メーカで独自にデータ収集サービスやエージェントボックス(フィールドサーバエージェントをインストールした小型PC)などを提供していますので,それをご利用下さい。

ネットワ−クの設定方法のマニュアルはないのですか?
無線LANの構成はフィールドサーバに組み込む無線LANアクセスポイント製品の仕様に大きく依存します。また,インターネットに接続するためのルータの設定はその製品に依存します。フィールドサーバ内部には無線LAN アクセスポイント基板(Ver.1ではPLANEXのWG-AP110,Ver.2ではバッファロー社製AirStarion Pro)が利用されました。ネットワークの構築・設定に関しては,これらのマニュアルを熟読して設定する必要があります。
その他の設定は通常の有線LANと同じになりますので,各種専門書や機器添付のマニュアルなどをご参考下さい。

フィールドサーバエンジン基板は利用あるいは購入できますか?
フィールドサーバエンジンは,この基板開発れ自体が研究そのものであるため,すぐには利用できません。現在,フィールドサーバエンジンを搭載したフィールドサーバの長期稼働テスト中です。
なお,市販のフィールドサーバはPICNIC(トライステート社)を使用しています。

フィールドサーバエンジン基板に無線LANのチップセットを搭載する予定はないのですか?
無線LANは1チップ化されているので,次期基板では搭載する可能性があります。
ただし,IEEE802.11b(11Mbps)の後,IEEE802.11a/g(54Mbps),IEEE802.11nが登場し,今後はWiMAXやUWBなど次世代規格も続々と登場するため,ハイエンドのフィールドサーバではこれらの市販基板をそのまま使用する予定です。
最終的には無線LANを含む全ての回路を1チップ化したフィールドサーバチップを開発するのがベストですので,今後,これにチャレンジしたいと考えています。

フィールドサーバを製作・販売したいのですが,どうすれば良いのですか? 
フィールドサーバのョンは不要でしたが,研究が進むに従って,「正確に気温を計測する筐体構造」など様々な新技術が開発され特許出願されています。そのため,中央農研と特許使用許諾契約を結んで下さい。

フィールドサーバは中央農業総合研究センターから購入できますか? 
フィールドサーバは,「データベース・モデル協調システム」プロジェクトの研究テーマの一つとして,独立行政法人・農業技術研究機構・中央農業総合研究センターで開発が進められているものです。国の研究機関が民営化されて独立行政法人になった,としばしば誤解されますが,研究が目的の組織であるためこういった製品の市販は困難です。

フィールドサーバはどこで購入できますか?
研究用のフィールドサーバはイーラボエクスペリエンスが行っています。販売は((株)イーラボイクスペリエンス及び(株)メックなどが行っています。試験研究・教育用ですので,「自己責任」でご利用下さい。
また,松下電工(フィールドサーバ事業部)が2006年4月から一般向けのフィールドサーバを発売する予定です。

メイリングリストはありますか?
英語のFserver(インターナショナル版)と日本語のとFServerJ(日本国内版)の2つがあり,フィールドサーバに関する情報交換や技術サポートを行っています。 フィールドサーバに興味をお持ちの方は随時ご参加頂けます。

フィールドサーバの業界団体はありますか?
フィールドサーバに関連する研究者やフィールドサーバ,アプリケーション,センサ等関連部品の製造・販売を行っている民間企業や研究者等からなるフィールドサーバ協議会(FSF)が2005年4月に発足しました。FSFについての詳細は,こちらを参照してください。

フィールドサーバに特殊なセンサを付けたいのですが,できますか?
自分で付ける自信の無い方は,メーカ等に特注で依頼して下さい。研究課題として意義がある場合には,研究プロジェクトの中で対応します。 

LAN構築などの経験があまり無くネットワークの設定が良くわからないのですが,どこに頼めば良いのですか?
フィールドサーバのネットワーク構築にはEthernet,TCP/IPなどの知識が必要です。セキュリティ設定などは,通常のルータを用いています。これらは一般のネットワークシステムと全く同じ内容ですので,フィールドサーバ協議会の会員企業またはお近くのシステムハウス等にご依頼下さい。また,メイリングリストFSrerverJでも適宜サポートしています。

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